
安全文化(風土と文化)
「安全文化」という用語は、今日では社会一般に普及しており、標語、ポスターなどでも使われていますし、私たちも安全を議論する際によく使っています。物語のなかでは、運転第一課長の鬼怒原(きぬはら)が、ジェームズ・リーズンが著した『組織事故』から引用して、組織の安全文化を構成する要...
社会の安全・安心を高めるための人材ネットワーク
「安全文化」という用語は、今日では社会一般に普及しており、標語、ポスターなどでも使われていますし、私たちも安全を議論する際によく使っています。物語のなかでは、運転第一課長の鬼怒原(きぬはら)が、ジェームズ・リーズンが著した『組織事故』から引用して、組織の安全文化を構成する要...
物語のなかで、主人公の安田専一はレジリエンスエンジニアリングとSafety-Ⅱについて学びます。Safety-Ⅱは新しい安全の捉え方ですが、従来のSafety-Ⅰの取り組みからは卒業してSafety-Ⅱの取り組みに切り替えるのではなく、従来のリスクアセスメント、TBM-KY...
物語では、主人公の専一が課題を抱えながらも新ヒヤリハット活用制度の運用をスタートさせます。当初は報告件数が伸びずに苦戦しましたが、3カ月を過ぎた頃、保全部と請負者からの報告件数が増えてきました。そして、その理由として、電気課長の平田から、保全部長の原田が専一のフォロワーにな...
物語の中でラジオ体操の話題が出てきます。主人公の専一が安全担当になり、朝のラジオ体操を熱心に行った結果、新ヒヤリハット活用制度の導入にあたって抵抗勢力と考えられていた保全部長が、専一のよきフォロワーになったというストーリーでした。専一はラジオ体操を始めた理由として、すべった...
物語のなかで、主人公の安田専一は、レジリエンスエンジニアリングを踏まえた新たなヒヤリハット活用制度の導入に取り組みます。「ヒヤリハットは事故の芽ではなくグッドジョブである」という考え方に基づく制度ですが、発電所の幹部会でこの制度について侃々諤々の議論が展開されました。その中...
物語のなかで、主人公の安田専一は、異業種交流安全研究会の勉強会で同研究会の顧問を務める岩橋からレジリエンスエンジニアリングについて学びます。この時、岩橋は「ヒヤリハットは事故の芽じゃない、天使からの贈り物だ」として、ヒヤリハットは事故を未然に防止したグッドジョブだと説明しま...
前回、ハインリッヒの法則を踏まえて、「重症災害を減らすために、ピラミッドの頭だけを削ることはできず、ピラミッド自体を小さくしなければならない」と述べました。ピラミッド構造で表現されることが多いハインリッヒの法則ですが、実際にこの比率を平面図で表現すると、ピラミッドとは全く異...
レジリエンスエンジニアリングとSafety-Ⅱの話題の途中ですが、その後半はまた後日へ回すことにして、ここでは一旦、ヒヤリハットとハインリッヒの法則について触れさせていただきます。 「ヒヤリハット」という用語が用いられるようになったのは、いつ頃なのかわかりませんが、私が社会...
野球など得点を競うスポーツの試合で勝つためには、点を取られない(与えない)ようにするとともに、点を取らなければなりません。失点は望ましくないことで、得点は望ましいことです。また、プロであってもエラーはしますから、たとえば内野手がエラーをしても外野手がカバーすることで失点を抑...
事故が起きてから再発防止を考えるという『墓石安全』の取り組み姿勢では、結局、モグラたたきになってしまいます。そこで、次に取り入れられたのが『未然防止』、すなわち事故を予測し、事故が起きないように先手を打とうという向き合い方です。事故を未然に防止すると言っても、そんなに簡単な...
レジリンスエンジニアリングの提唱者、エリック・ホルナゲル氏は、2004年10月にスウェーデンのある町で開催されたエキパート会合でレジリエンスエンジニアリングが誕生したと述べています。2022年の今年で18年を迎えることになります。私がレジリエンスエンジニアリングに感心を持っ...
本日(2022年9月19日)、最強クラスの台風14号が九州、中国地方で猛威を振るっています。甚大な被害が出ないことを祈ります。 この物語の最終章は「台風から発電所を守る」です。このブログは、なるべく章立てに沿って解説を進めていきたいと考えていますので、台風の話題はもう少し先...
8月のお盆の時期を迎えると、あの事故のことを思い出してしまいます。 1985年8月12日、羽田発大阪行きの日本航空123便(B747SR-100)が、群馬・長野両県境付近にある御巣鷹山に墜落し、乗員・乗客520名が死亡し、4名が重傷を負うという、世界の航空史上において単独機...
「自分は理想的なマネジメントを行っていると自負していても、それは独りよがりであって、周囲は別の見方をしていることが多い」前回のブログはこのような記述で締めくくりました。 人は自分のことをよく知っているようで、実は知らないことも多いわけです。一方で、人は相手のことを、先ずは見...
ヒヤリハットの報告・活用の制度はさまざまな産業の現場で運用されています。『ストーリーで学ぶ安全マネジメント』の中では、主人公の安田専一が従前から運用されていた制度を、「ヒヤリハットは事故の芽ではく良好事例である」というSafety-Ⅱの考え方に基づきリメイクを行いました。ま...
まずは、川崎汽船研修所のI船長との出会いについてご紹介したいと思います。8年ほど前のことになりますが、当時私が課長として勤務していた発電所でヒューマンエラーが発生しました。その再発防止対策について検討しているなかで、当該制御室の責任者のひとり、Nさんが「今回のトラブルの背景...