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バースマスター

「バースマスター」って何? 誰? と思われる方は多いと思います。 先日、当社のバースマスター(M氏/安全研究会のメンバーでもあります)とかつて何度もお世話になった川崎汽船研修所様(町田・成瀬)にご協力いただき、同研修所の操船シミュレータを用いて、LNG船の入出港プロセスの検証作業を行いました。 あいち・なごや強靭化共創センターの福和伸夫センター長が座長を務める「産業防災研究会」では、南海トラフ地震を想定した中部地域の減災・防災について検討を重ねていますが、この地域については名古屋港のレジリエンスが極めて重要であるという認識の下、同研究会のなかに「港湾物流勉強会」を組織し、港湾物流プロセスを見える化することで、BCP上の弱点の抽出に取り組んでいます。 その一環として、LNGや石炭、石油などのエネルギーの輸入、荷揚げに関わるプロセスを細分化して、すべての手続きや荷役作業の業務フローの見える化を行ってきました。たとえば手続きについては、海上保安庁、税関などの行政機関に対する申請手続きがあり、ほかにLNG船などの入港、着桟に必要な水先人、タグボート、警戒船の手配などがあります。

この見える化作業を行うなかで、これらの手続きの大半を「船舶代理店」が担っていること、そしてその業務を行う担当者が限られていること、さらに大半の手続きが「NACCS」というシステムで行われているものの一部については電話やFAXが使われていることなどが弱点として見出されました。これについては別途対策を検討する必要があります。 一方、LNG船などの大型危険物船による荷役ついては、「バースマスター」という桟橋側の責任者を配置する必要があります。バースマスターは大型船の元船長や海上保安庁OBなどがその任にあたりますが、当社が荷役関連業務を請け負っている桟橋については、私が務める会社のバースマスターが指揮を執ります。 LNG船の入港、着桟、荷役、離桟橋には、船長、航海士、水先人、タグボートや警戒船の船員、そしてバースマスター、綱取り作業者などが連携して一連の業務を行う必要がありますが、港湾物流勉強会のメンバーは港湾に関わる仕事に携わっていても、そのすべてを把握しているわけではありません。

そこで、川崎汽船研修所の操船シミュレータを使わせていただいて一連のフローを再現し、理解を深めようというのが今回の検証作業です。

南海トラフ地震が発生した場合、大津波・津波警報が解除されてから港湾機能の復旧作業が始まりますが、それまでには相応の期間が必要と考えられるものの、ライフライン復旧のためにLNGなどのエネルギーを受け入れなければならない場合、すべてのリソースが使えるとは限りません。

そのようなとき、上記の一連のフローのなかで、省略、簡略化、あるいは代替、事後対応に置き換えることができるものはないか、それを見出すことも目的でした。 たとえば、バースマスターはそれぞれの港・桟橋を担当していますので、バースマスターが被災したからといって別の港からバースマスターを呼んできても、すぐにその役割を担うことができません。そうであれば、複数の港・桟橋を掛け持ちできるように、あらかじめ養成しておく必要があります。

その必要性も含めて検証作業を行いました。(つづく)

 
 
 

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バースマスター(2)

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EXPERT(エキスパート)

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