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客室乗務員の相互確認

執筆者の写真: 代表 榎本敬二代表 榎本敬二

旅客機の離陸前に「客室乗務員は、ドアモードをアームドに変更してください」というアナウンスが行われます。このモード変更を怠ると、緊急時に脱出スライドが展開しません。

2008年5月に宮古から那覇に到着したB737型機において、前方右側ドアの脱出スライドが展開しない状態となっていたことが確認されました。出発時に客室乗務員がモード変更を忘れたことが原因です。 アームドに変更するということは、ディスアームド(マニュアル)からアームド(オートマティック)に切り替えるということであり、これにより脱出スライドが自動展開することになります。一方で、着陸後はドアを開ける前にディスアームドへ切り替えなければなりません。この操作を忘れたままドアを開け、脱出スライドが展開してしまったというトラブルもあったそうです。

さて、先日の皆既日食ツアーは名古屋(セントレア)発着でしたが、成田でトランジットのため、帰りの成田→名古屋はJALのB787型機でした。ドアに近い席でしたから、客室乗務員のドアモード変更操作と左右の客室乗務員が入れ替わって確認する行為を見ることができました。 左右それぞれの客室乗員がモード変更操作を行った後、左右を入れ替わってモードが正しく変更されていることを指差しで確認するのですが、確認後、元の位置へ戻る際、お互いが指でグッド!のサインをしながら笑顔で交差するシーンがとても印象的であり、素晴らしく思えました。 両者が当たり前のことを当たり前に行っただけですが、その当たり前の行為をお互いに笑顔で認め合うという何でもないことが、実は安全を下支えしているのだと思います。


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