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執筆者の写真代表 榎本敬二

謹賀新年

更新日:2023年1月31日


新年あけましておめでとうございます。

年末年始も業務に従事されている皆さまに心より感謝申し上げます。

私も火力発電所で交替勤務をしていた際には、制御室で新年を迎えたことがありました。

ライフライン事業は勿論のこと、警察・海保・消防・自衛隊など市民、国民の安全を守る仕事、医療従事者をはじめ、サプライチェーンが複雑化している昨今では、さまざまな仕事が人々の生活を支えています。 私は、今年、還暦を迎えます。以前であれば、定年退職が当たり前でしたが、近年では60歳以降も働き続ける方が増えています。私も身体が動く間は、あるいは私を必要としてくれる職場や場面がある限り、少し働き続けたいと思っています。これは、私自身の意思によるものですが、一方で、上記のとおり複雑化したサプライチェーンを維持していくためには、高齢者の労働力は必要不可欠となっていますので、私の意思に関わらず、働き続けることが責務になりつつあるように感じます。私の生活も多くの方々に支えられていることに感謝しつつ、私も少しでも長く、ほんのわずかでも支える役割を担ってまいりたいと思います。

高齢者の労働力が社会機能の維持に不可欠であるならば、高齢者が安全に働けるための施策も充実する必要があります。そのためには、デジタル活用が必要不可欠だと言えるでしょう。高齢ドライバーが招く事故を防止することは勿論のこと、災害の多い建設業や製造業などにおいても、デジタル活用を積極的に進める必要があります。

物語のなかでは「五感」の話しが出てきます。私が発電所で交替勤務をしていた頃は、五感を十分に働けせて機器の巡視点検を行う必要がありました。それは今でも変わりませんが、近年ではデジタル活用により巡視点検をサポートしたり、ロボットやドローンが「五感」の代わりとなるさまざまなセンサーを使って巡視点検を行うことができるようになってきました。すべてをロボットなどに任せることができるようになるには、もう少し時間がかかりそうですが、従来、2時間程度かかっていた巡視点検の短縮や遠隔化により、高齢者でもその役割を担うことは可能になります。

しかし、建設現場でも製造現場でも、まだまだ多くの人の手、すなわち職人の技術を必要としています。その職人は、高度技能者や熟練技術者に限りません。多くの若者がさまざまな現場を支えています。その結果が、私が安心して使うことができる構築物や製品につながっています。そのような若者がやりがいを感じながら、仕事に専心できるような仕組みづくりも必要不可欠です。

さて、日本の工業技術が注目され、デジタルの世界でもトップランナーであった時代はずいぶん昔のことで、今は諸外国のトップランナーから大きく劣後しています。労働生産性に至っては先進国のなかで最後尾に位置しています。この現状を打破していく、そんな時代の幕開けの年になることを祈念したいと思います。


動画は、元日に三重県鈴鹿の白子の海岸で撮影した初日の出です。

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