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能登半島地震

執筆者の写真: 代表 榎本敬二代表 榎本敬二

元日に起きた能登半島地震は、発生から2週間が過ぎ、ようやく余震が減ってきましたが、一方でその被害の大きさが次々と明らかになってきました。輪島市では海岸線が85キロメートルにわたり隆起し、海側へおよそ250メートルほど拡大した、あるいは1分間の揺れの間に4メートルも隆起したという、簡単にイメージすることができないような現象も報道されています。この隆起によって津波被害は軽減されたと考えられる一方で、漁港では陸になった部分に船が残り、漁港を復旧するためには隆起分を掘り下げるような大工事が必要になるとも言われています。 私は岐阜県の出身ですので、ずいぶん前に「根尾谷断層」を見に行ったことがあります。この断層は、1891年(明治24)年10月28日に発生した濃尾地震(Ḿ8.0)の際にできたものですが、数十キロメートルに渡って地表に断層が現れ、最大で横ずれ8メートル、縦ずれ6メートルということです。 私たちは地震が起きるメカニズムも理解し、大地が固定されたものではないことも分かっていますが、今回の能登半島地震のような規模の地殻変動をリアルにイメージすることはなかったのではないでしょうか?

今回の地震は3000年から4000年に1回の規模とも報道されていますが、そのような長いインターバルの地震は、自分たちが生きている間に起きることはないと考えてしまっているような気がします。 一方で、南海トラフ地震の発生が危惧されています。こちらは、3000年とか4000年というインターバルではなく、100年から200年という短いインターバルで発生しており、至近では、昭和東南海地震(1944年)とその2年後に昭和南海地震(1946年)が発生しています。

それにも関わらず、その備えは遅々として進まない感があります。政府は国土強靭化に取り組んでいますが、私たち自身が自分事として実感できないところがあります。自助、共助、公助の順だと言われていますが、少子高齢化が進むことで、助けられる側の人が増え、助ける側の人は減っていってしまいます。大規模災害発生時にトリアージが行われることは理解していますが、これから起きる震災では、無傷の高齢者がトリアージの対象になってしまうかもしれません。そのような私たちがこれまでに経験したことがないような悲惨な状況になることも想像できます。 能登半島地震から私たちは何を学び、どう生かすべきなのでしょうか?

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