top of page

東北新幹線の列車分離

9月19日(木)に東北新幹線はやぶさ・こまち6号が古川~仙台間を走行中、はやぶさ号 とこまち号の連結部が外れ、自動的にブレーキが動作し停車するというトラブルが発生しました。 連結部が外れることで自動的にブレーキが動作する仕組みについて、安全研究会のNさんが解説してくださいましたので、簡単に紹介しておきます。 連結が外れた場合にはブレーキ関係の空気配管あるいは電気回路も一緒に外れる(切れる)ため、自動的に非常ブレーキが動作する仕組みということです。 一般の連結器の場合、本体のほかに黒いホースのようなものがつながっており、これはブレーキ管と呼ばれるもので、ブレーキが緩んでいる状態では概ね490kPaの圧縮空気が入っています。通常この空気を徐々に抜いていくことでブレーキをかける構造になっていますから、列車分離によってこのホースが外れれば、中の空気が一気に放出され、これによって列車全体に非常ブレーキがかかります。

新幹線を含めた最近の車両の場合は、ブレーキ管の代わりに非常ブレーキ用の回路を設け、先頭の運転台から最後部の運転台を経由して再び最前部に戻るという電気の流れを作り、これがどこかで遮断されると非常ブレーキがかかる仕組みになっているそうです。 今回のトラブルは、時速315キロで走行中に連結器が外れたこと、運休が上下線で72本、遅延が同35本となり、約4万5千人に影響が出たことから大きく報道されましたが、連結器が外れるというトラブルに対し、フェイルセーフの仕組みが正常に機能した事象でした。 連結器が外れた原因は調査中とのことですが、JR東日本のホームページで公表されている本件の資料によると、連結器が併合の状態から分離の状態になるためには、連結器の双方のシリンダー(?)に空気が込められなければなりません。高速走行中であれば、どちらか一方の連結器に空気が込められることで分離するかもしれませんが、この空気込めの仕組みに何らかの異常が発生した(誤作動した)可能性が考えられそうです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
福知山線脱線事故から20年

2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故から20年が過ぎました。大切な人を失った方、後遺症に悩まされている方など、今なお多くの方が苦しみ続けておられます。 20年前のあの日、私は事故が起きたことを職場の食堂のテレビで知りました。現場の状況が映し出された画面を、しば...

 
 
 
羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会

昨日(4月18日)、私が所属している「日本労働科学学会」のイブニングセッション(オンライン)が開催され、件名の委員会の座長を務められている早稲田大学理工学術院の小松原教授のお話しを聴くことができました。 テーマは『事故再発防止対策立案への考え方 ―羽田空港航空機衝突事故対策...

 
 
 

Comments


  • Facebook
  • LinkedIn
  • Twitter

©2022 by 安全安心つなぐ研究舎。Wix.com で作成されました。

bottom of page