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日本人間工学会 安全人間工学委員会・東北支部 共催研究会

年度末特有の忙しさ(年度計画の実績集約や次年度計画の策定等)に加え、当ホームページへのアクセスができなくなったことから、久しぶりの投稿となります。 ちなみに、年度ごとに業務計画を策定する、これに合わせて次年度予算を編成するというこの時期の仕事は、本当に必要なのか? 意味があるのか? あるべき姿とは違うのではないか? 私はそんな違和感を持ち続けています。 1年間の実績を評価し、次年度へ反映するという従来のやり方は、1年間をひとつの大きなPDCAサイクルで捉えたものであり、今の時代、1年間という大きなスパンでPDCAサイクルを回していては、レスポンスが遅すぎると思うのです。勿論、細部についてはもっと細かくサイクルを回しているはずですが、1年間で全体サイクルを回せばよいというのんびりとしたペースを作り出してしまいます。一番良くないのが、第一四半期(Q1)をPの段階とし、以降、Q2、Q3、Q4をそれぞれD、C、Aに充てるという大雑把なスケジュールを作成するというもの。今時、そんなとぼけた工程管理をしている会社はないと思いますが、どうなんでしょう? きめ細かくサイクルを回すべきだし、そうやって回していたら、年度末に次年度計画を作成するという作業は不要で、3月末時点のものが次年度計画になるはず。いや、そもそも年度という発想そのものがよろしくないのではないでしょうか? 予算制度も同じですね。現実は、次年度予算編成と次年度計画の策定を同時併行で行うことになり(場合によっては、次年度計画の策定が予算編成後になることも)、これはコロンブスの卵と一緒でどちらが先かは明言できない(お財布事情に応じて計画を策定するのか、成長戦略のために資金を調達するのかなど)のですが、やはり一番良くないのが、予算を使い切らないと次年度予算申請時にカットされるから使い切るという使い方。これも、もうこんな古い発想で予算管理をしている会社はないと思いますが、はたしてそう言い切れるのでしょうか? 余談が長くなってしまいました。 本日は、昨日(3月23日)開催された、日本人間工学主催の研究会についてご紹介させていただきます。同研究会の東北支部と安全人間工学委員会が共催したもので、私はWEBで参加させていただきました。 テーマは「全てのオペレーションからの学習の実現に向けて」ですが、この全てのオペレーションとは、従来の失敗したオペレーション(事故など)から学ぶだけではなく、うまくいったオペレーションからも学ぶという意味で、セイフティⅠとⅡの双方から学ぼうという趣旨です。 講演者はお二人で、お一人目は文教大学の長谷川尚子先生でした。長谷川さんは心理学をご専攻で、電力中央研究所でヒューマンファクターを研究されておられましたが、私は、産業安全対策シンポジウムの企画委員会などで、以前から大変お世話になっていました。 今回、長谷川さんは「なぜ事故事例から学べないのか~学習者の心理に着目して~」というテーマ、すなわちセイフティⅠの観点からご講演くださいました。 「あのトラブルはあの発電所だから起こした。自分たちの発電所ではあんなトラブルは起こさない」 という言い方をする人を私はかつて何度も見ました。「あの発電所」が「隣りの制御室」に置き換わるケースもしばしばありました。 この言い方の行間には、「あいつらはサボっているからトラブルを起こすんだ。自分は(自分たちは)大丈夫だ」というような意識が隠れていそうです。自分たちは大丈夫だと意識することで安心したいという心理が働いているのかもしれません。

しかし、このように考えるのは伝わってくるトラブルの情報がとても限定的だからではないでしょうか? 一般的な速報は、時系列に沿って、こんなエラーがあって、こんな結果になったというレベルにとどまりがちです。たとえば、運転員のAさんが、機器BとCを間違えて、発電設備が非常停止したというレベルです。そこには、機器BとCを間違えるに至った詳細な経緯や背景、Aさんの心理などがまったく表現されていません。ヒューマンエラーは引き起こされるという基本的な部分がまったく掘り起こせていないのです。 では、事故事例から学ぶためにどうしたら良いのでしょう。次回は、長谷川さんのご研究の成果(講演内容)からいくつかご紹介させていただきたいと思います。


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なぜ事故事例から学べないのか

「あそこは以前からときどきトラブルを起こしていたから」「いつかは事故を起こすと思っていた」「でも、ここ(自分たち)は大丈夫」このような言い方で他の職場を批判することはありませんか? さらには、口には出さないまでも「あんなつまらないエラーを起こすなんて」といった具合で見下すことも・・・ 私たちは、伝わってくる表面的な事象や事故の直接原因のみを捉えて、事故の当事者たちを非難しがちです。しかし、このよう

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