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リーダーシップ、フォロワーシップ、ヘッドシップ



物語では、主人公の専一が課題を抱えながらも新ヒヤリハット活用制度の運用をスタートさせます。当初は報告件数が伸びずに苦戦しましたが、3カ月を過ぎた頃、保全部と請負者からの報告件数が増えてきました。そして、その理由として、電気課長の平田から、保全部長の原田が専一のフォロワーになったと聞かされ、リーダーシップとフォロワーシップについて学ぶ機会を得ました。今回は、リーダーシップ、フォロワーシップ、ヘッドシップを話題にしたいと思います。

普段、私たちがよく使うのは「リーダーシップ」という用語です。上司のリーダーシップが素晴らしい、彼にはリーダーシップが足りないという使い方をしたり、リーダーシップ研修などもよく耳にします。一方で、リーダーと対をなすフォロワーについては、フォロワーシップが素晴らしいとホメルこともないし、フォロワーシップ研修というのもあまり聞きません。物語のなかでは、電気課長の平田が専一に向かって「リーダーというのは管理職だけではないんだよ。リーダーシップはその場の状況に応じて、誰が発揮してもいい」と述べます。リーダーを辞書で調べると、指導者、先導者、首領となっています。一般的には組織の各階層やチームにおける長がリーダーの役割を担います。しかし、ひとつのチームであっても、同時併行で複数のミッションを進める場合は、それぞれのミッションごとにリーダーが異なるケースがあるように、リーダーが複数存在することもあります。そして、リーダーは会社や組織が定める管理職である必要はありません。また、状況に応じてリーダーが交代することもあります。このように、リーダーはその場の状況や対応するミッションによって柔軟に変化し、目的達成のためにそれぞれの場面でリーダーシップが発揮されなければなりません。

それでは、リーダーシップとは何でしょうか? 実はリーダーシップの研究は盛んに行われてきましたが、まだまだ分かっていないことが多い領域だとも言われています。そのような中で、ひとつの定義として「人が人に与える影響力である」というものがあります。リーダーが明確な目標を示し、メンバーを鼓舞しても、メンバーがその気にならなければ目標は達成できません。物語の後半で、専一が岩橋キャプテンから聞いた西洋のことわざを思い出す場面があります。「水辺に馬を連れていくことはできるがが、水を飲ませることはできない」というものです。また、組織の成長プロセスとして、「知識の変革」「意識の変革」「行動の変革」という3段階があることも岩橋から聞いていました。メンバーをその気にさせ、意識と行動の変化を導き出すことが大切で、これが「影響力」だと言えるのではないでしょうか。しかし、この影響力が作用するためには、一般的には時間がかかります。自分の意識や行動を変えていくわけですから、リーダーが信頼できる人物であると実感できなければなりませんし、自らの意識や行動を変容させていくのにも相応の時間がかかります。一方で、今、目の前で重大な問題が発生しているような危機状態では、リーダーの影響力が作用するのを待っている余裕はありません。前進するか、それとも撤退するか、速やかに判断しなければならない場面では、リーダーは決断し、メンバーに取るべき行動を命令します。このような場合、決断を求められるのはあらかじめその責任と権限を有する役職者(一般的に組織の長=ヘッド)であり、これはヘッドシップによる決断と命令ということになります。ちなみに、ヘッドシップについては、次のように解説された例があります。「指導、被指導の関係において、権威の根拠が被指導者の自発的支持にある (この場合をリーダーシップという) のではなく、外的にすでに決定されて存在する体系的組織そのものにある場合をさす。たとえば会社の経営者のように、組織内に一定の地位を占めているということそれ自体に権威の根拠がある場合である。このような権威の保持者を首長 (ヘッド) といい、被指導者によって選ばれるのではなく、外部から任命される」

さて、物語のなかで電気課長の平田は、「社会運動はどうやって起こすか?」というテーマのTEDの動画を見ることを専一に勧めます。この動画はデレク・シヴァーズ氏が2010年にTEDで講演したもので、3分間という短い時間のなかで、リーダーとフォロワーの関係、フォロワーの重要性を説いています。ちなみにデレク・シヴァーズ氏は、1987年からプロのミュージシャンとして活動していましたが、1998年にCDベイビーを創設しました。CDベイビー社は、ウェブ上でインディペンデント音楽の最大の売り手でしたが、2008にこの会社を売却し、ミュージシャンを支援する会社を立ち上げその仕事に集中しました。

昨今「ファーストペンギン」という用語が注目されています。陸上(または氷上)にいるペンギンは、天敵がいるかもしれない海の中へ飛び込んで餌を捕ります。「赤信号、皆で渡れば怖くない」のように、ペンギンたちは横一列になって一斉に飛び込むのではなく、最初の一羽が飛び込むことで、それに続いて次々と飛び込んでいく様から、最初の一羽をファーストペンギンと呼びます。上記の動画では、一人の上半身裸の男性が広場で踊り始めます。やがてもう一人の男性が踊りに加わるのですが、誰一人加わることがなければ、最初の男性は単なる変人で終わってしまいます。しかし、フォローワーとなる二人目が加わることで、次々と人々が加わり、やがて爆発的に増えていきます。一人目が変人かリーダーたるファーストペンギンかを決定的にするのが、二人目に加わったフォロワーであり、その重要性は明らかです。リーダーシップ、フォロワーシップについては、またの機会にもう少し補足したいと思います。

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